2019年08月31日

民法改正

サムライアライアンス、税理士の小木です。
今日は民法改正と相続税について少しお話したいと思います。

民法(相続法)改正により相続税法等の改正が予定されていることはご存知でしょうか?財務省が令和元年7月3日に公表した「令和元年度税制改正の解説」(以下、「解説」)に、その詳細が記載されています。

なかでも、税務関連業界でとくに注目されていた「配偶者居住権の評価等」「遺留分侵害額請求への代物弁済」についての解説があるため概略を掲載したいと思います。

● 配偶者居住権の評価等

評価算式は以前から明示されていたところであるが、解説によれば、配偶者居住権の客観的な時価評価が困難である等の理由から、相続税法の第22条の「時価」(実務的には財産評価通達等)によるのではなく、相続税法23の2に法定の評価方法として立法されており、これにより恣意的な要素を除外して公平な課税が出来るなどとしています。

しかし、配偶者居住権を課税対象とした理由については「(民法の)遺産分割においては具体的相続分を構成することから、一定の財産的価値を有する」としているだけで、配偶者居住権に財産性や担税力があるのかどうかなど、その評価の根拠についてまでの説明はありません。

そのほか、配偶者居住権の相続後に、居住権者に生じた相続時の取り扱い、所有権者に居住権者より先に相続が生じた場合の取り扱い、居住権存続中の合意解除・放棄等の時の贈与等の取り扱いなどについても説明されており、税制における配偶者居住権の取り扱いの概要がみてとれます。

● 遺留分侵害額請求に対する代物弁済

従前の遺留分侵害額請求は相続財産に対して物権的に権利を生じさせていたが、今般の改正により、遺留分権利者は遺留分侵害額に相当する金銭の支払の請求ができる権利(債権)とすることに改められました。

これを受けて解説では、「遺留分侵害額に相当する金銭の支払に代えてその有する資産(その遺贈又は贈与により取得した資産も含みます。)を遺留分権利者に渡した場合には、受遺者又は受贈者は遺留分権利者に対してその資産を譲渡したことになるものと考えられます。」として、受遺者又は受贈者が相続財産中から不動産等を提供した場合には譲渡所得とする見解を示しています。

しかし、この代物弁済行為は遺産分割手続きの一環として行われることから譲渡所得課税が馴染まないと疑問視する声もあり、今後も具体的な取り扱いが注目されるところでしょう。以上



posted by サムライアライアンス at 17:44| Comment(0) | 中小企業診断士の吉村
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